ハゴロモ

ハゴロモ

よしもとばななの作品には、いつもスピリチュアルなものを感じずにはいられない。
小説を読むことは好きだし、
そのなかでも江國香織の作品は
私の中の「何か」と連動するものがあるので、よく読む。
昨日、本屋で文庫本を探していたら
文庫の新作として「ハゴロモ」が置いてあった。
表紙に惹かれ、そのまま手にとっていた。
よしもとばななは以前から好きだし、彼女の作品は何冊か読んでいる。
なかでも「TSUGUMI」や「N・P」は印象に残っている。
私は小説を読んで、泣くことはほとんどない。
けれど、よしもとばななの作品を読むと、なぜか涙が出てきてしまう。
「N・P」を読んだときは、号泣していた。
そして今回読んだ「ハゴロモ」も、読みながら泣いていた。
直接的な描写でなく、全体的に伝わってくるオーラというか世界観に感動した。
辛く悲しい世界から、人がどう立ち直っていくか。
主人公・ほたるは失恋の傷を癒すために、故郷に帰る。
そこで出会う人々、さまざまな出来事を通じて
彼女は希望の先っぽを手にする。
そんなお話。
とっても「やさしい」お話。
あったかくて、鋭くて、力強くて…。
よしもとばななには、目には見えない何かを文字として表現する力がある。
私は霊感とか、そういうのはあんまり信じていないけど
スピリチュアルな世界は存在していて、
その世界が、私が生きる世界に何かしらの影響を与えているのかもしれないと
おじいちゃんが亡くなってから、そう思うようになった。
よしもとばななの良さは、「ハゴロモ」を読んで確信した。
彼女の作品は、みんな「やさしい」。